空間認識                                               

まず簡単に図示する。

建築における西欧の空間認識が、それまでの伝統的、閉鎖・完結・静的なものに加え、開放・相互貫入・動的な空間認識を取り入れることになった。 これを、空間認識としての、近代建築の萌芽とよべる。  時系列的に観察すれば、1907年にフランク ロイド ライトが発表したロビーハウスが、近代建築の出発点といえる。 もとより、この 開放・相互貫入・動的な空間認識そのものは、自然界にあるいは非西欧建築においては、つねに存在していたものであって、決して新しく産まれたわけではない。  日本の伝統的建築における空間形成が、近代建築に強く影響をおよぼしていることは、よく知られている。  Robie house  歴史年表
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動的空間は、単に具体的な視点の移動のみならず、記憶・連想・暗示の総和として認識される。 そして、これらの知覚形式は、視覚・聴覚・臭覚・触覚、全てにわたる。
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自然界においては、動物の睡眠時あるいは子育て期を観察すると、空間認識の理解に役立つ。
巣穴・デン・叢林・樹間等の数多くの空間利用形式・事例に気が付く。 更に、草原・海中といった非限定的場における群れの形成は、互いに空間を作りあっているとも理解されうる。

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